アクステ感想ではない

本田礼生という人をかれこれ3年くらい推してるけど、どんな人格の人なのか実はあんまりよくわかってない。本田さんはいつも背後に隠している何かがあって、それを容易に見せてくれない。でもすごく優しいし素直だから、容易に見せてくれない何かを差し出す代わりにオタクのことをものすごく気遣ってくれたり、芝居でその何かの片鱗を見せてくれる。精神的に丸裸の状態で芝居をしてくれていると感じる。

本田さんのことよくわかってないけど、本田さんがする芝居の中で一番好きなものは死に関するものです。(本田さんのオタクけっこう全員そうだとおもうけど)コンボイATOMボレロしかり、BOYS DON’T CRYのダンスしかり、桜の森の満開の下しかり、アクダマドライブしかり。本田さんが表現する死はいつも強く生きた前提があってこその死で、悲しいだけの死じゃない。ATOMでの死は「わたしは、しぬのがたのしみ」という谷川俊太郎の詩の死。死ぬのが楽しみと言いつつ、自分より先に死んでいく人の死を悼み、自分も人生を全うした後に過ぎていった生を慈しみながら死んでいく。BOYS DON’T CRYはシャバで自由に過ごせる最後の日に本田礼生がラストダンスを踊る話だと解釈している(それも一つの死の形だと思う)。桜の森の満開の下は、ある種「男」のために生きた「女」が男をより一層孤独にさせるための見事な死だし、アクダマドライブの殺人鬼は自分がやりたいことを貫き通して死んでいく。噂によるとコンチュウジャーの死の表現もすごいらしい。(DVDの購入を決意しました)

私のばあちゃんの話をさせてほしい。本田さんに1ミリも関係ないけど酔っぱらってるから許してほしい。私のばあちゃんはALSという2万人に1人がかかる難病で死んだ。ALSは体中の筋肉が徐々に動かなくなっていく病気で、意識ははっきりしたまま歩けなくなり、言葉を発せなくなり、最後には肺の筋肉が衰えて呼吸困難で亡くなる。ばあちゃんは最期、動けなくなったことによる鬱を発症して、死にたくない、いや死にたいと言いながら死んでいった。本当にやるせない死だった。死は本当にいろんな形がある。私のばあちゃんより悲惨な死を遂げている人はいくらでもいると思うし、ウクライナやロシアで今死んでいっている人たち、戦争とは全く関係なく飢餓、差別、はたまた鬱、自殺で死んでいく人たち、いろんな形がある。死って本当に怖いですよね。どんなに誇り高く生きても、死の形を選ぶことはできない。自分らしく死ぬことができる人ってどれだけいるんでしょうね。でも本田さんが眼差す死は、生きることを肯定する死な気がして、本田さんの生命に対する優しさをひしひしと感じます。(だってそうじゃなかったら「しぬのがたのしみ」なんて詩を選ばないと思うんです)本田さんが演じる死はその人らしい。必ず何かを全うして死ぬ。明日死んでもいいって思えるくらいの生き方をしている本田礼生が心配な反面、めちゃくちゃ大好きでもあります。

本田礼生はすごく優しい。本来だったら本田さんについて語る時は手にグローブをはめてボクシングをする気分で本田さんをいじり倒したいところなのですが、酔っぱらってるから本田礼生を褒め倒していることを許してほしい。何の文章書いてるのかだんだんわからなくなってきたけど、これは本田礼生が好きだ!ということを声高に主張するための文章です。

結局私は本田さんの芝居を推しているのか本田さんの人格を推しているのかよくわからない。まあでも良い芝居をしたかったら良い人間になれという言葉もあるし…芝居は人生がにじみ出るものだという誰かの言葉を信じて、本田さんの人格も芝居もまるごと愛すということでここはひとついかがでしょうか!?

本田さんについていけば面白いものが見られる、もそうなんだけど、本田さんを見ていれば生きてることを肯定してもらえる、生きる上での糧になる、そんな気持ちで推しています。別に生きてて特別苦労してきたとか特別嫌なことに耐えてきたわけではないけど、普通に生きてたら日々しんどいと思うささいなことがある。本田礼生が死を大切に取り扱ってくれることで、死の前手にある「生きること」そのものも大切にしてくれているような気がして、私はとても救われています。

本田さん~~~~~!!!!大好きだ~~~~~~!!!生きて芝居をしててくれてありがとう!!!!!!!ここにもそこにも本田礼生に救われてるオタクがたくさんいるよ~~~!!!!

今日も元気で!!!